賃貸住宅に住んでいると、様々なトラブルに遭遇する可能性があります。
その中でも、特に頭を悩ませるのが雨漏りです。
せっかくの家賃を払って住んでいるのに、雨漏りが発生したら気分も悪いですし、大切な家具や
家電が壊れてしまうかもしれません。

賃貸住宅の雨漏り、誰が修理費用を負担するのか、また雨漏りで家具が壊れたけど、補償はし
てもらえるのかといった疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、賃貸住宅の雨漏りが発生した場合、誰が修理費用を負担するのか、またどのよう
な場合に補償を受けられるのかについてご紹介します。

□アパートの雨漏りは大家が負担してくれる?

 

アパートで雨漏りが発生した場合、原則として大家が修理費用を負担します。
なぜなら、大家は建物の所有者であり、入居者に安全で快適な住居を提供する義務があるから
です。

 

1: 大家の修理義務

 

民法では、賃貸人は賃貸物の使用・収益に必要な修理をする義務を負うとされています。
つまり、大家はアパートの屋根や外壁などの破損により雨漏りが発生した場合、その修理費用を
負担する義務を負うということです。

2: 契約内容による例外

 

ただし、賃貸契約書に「雨漏りの修理費用は入居者が負担する」といった特約が記載されている
場合は、入居者が修理費用を負担する場合があります。

3: 特約の有効性

 

賃貸借契約における特約は、原則として自由に取り決められます。
しかし、入居者の利益を不当に制限するような特約は、無効とされる場合があります。
雨漏りの修理費用を入居者に負担させる特約も、入居者の利益を不当に制限する可能性があ
り、無効とされるケースも少なくありません。

4: 契約書の内容確認

 

アパートに入居する際には、必ず賃貸契約書の内容をしっかりと確認し、雨漏りに関する特約が
あるかどうかを確認しましょう。
特約の内容が不明な場合は、大家に確認することも重要です。

□雨漏りの修繕費用について

 

雨漏りによって家財が損傷した場合、大家が補償してくれるケースがあります。
しかし、補償の範囲は契約内容によって異なるため、事前に確認しておく必要があります。

 

1: 大家の補償義務

 

大家は、アパートの雨漏りによって入居者の家財が損傷した場合、その損害を賠償する義務を負
う場合があります。
ただし、補償の範囲は賃貸契約書によって異なります。

 

2: 契約内容の確認

 

賃貸契約書には、雨漏りによる家財の損害に関する特約が記載されている場合があります。
例えば、補償の範囲や補償金額などが定められている場合もあります。
アパートに入居する前に、必ず契約書の内容を確認し、雨漏りによる家財の損害に関する特約が
あるかどうか、またどのような内容なのかを理解しておきましょう。

 

3: 自然災害による雨漏り

 

自然災害による雨漏りによって家財が損傷した場合、大家が加入している火災保険で補償され
る可能性があります。
火災保険は、火災だけでなく、風災、雪災、水害などの自然災害も補償対象となる場合が多いで
す。

 

4: 火災保険の適用範囲

 

火災保険の適用範囲は、保険会社や契約内容によって異なります。
また、雨漏りが自然災害によるものかどうか、証明が必要となる場合があります。

 

5: 入居者の火災保険

 

入居者も、自分の家財を守るために火災保険に加入しておくことをおすすめします。
入居者の火災保険は、大家が加入している火災保険とは異なるため、雨漏りによる家財の損害
を補償してくれる場合があります。

□雨漏りで退去費用を受け取るれるのか

 

賃貸物件で雨漏りが原因で退去となった場合は、退去費用や引っ越し費用の一部を請求できる
可能性があります。
雨漏りが原因で引っ越しすることになった場合、退去費用を受け取るためには次の3つのポイン
トを押さえておく必要があります。

1: 雨漏りの記録を残し退去費用の請求に備える

 

雨漏りが発生した場合、まず重要なのはその証拠をしっかりと残すことです。
写真や動画を使って雨漏りの状況を詳細に記録しておくことが必要です。
この記録は、大家さんとの交渉や第三者機関に相談する際の貴重な資料となります。
記録する際は、雨漏りの箇所がはっきりと分かるように、部屋全体の写真と雨滴が見えるアップ
の写真の両方を撮影するようにしましょう。
また、家財道具に被害が出た場合も、その位置関係がわかるように写真を撮っておくことが重要
です。
スマートフォンで動画も撮影しておくと、雨漏りの深刻さが伝わりやすくなります。

 

2: 退去費用をもらうために雨漏りの修繕の依頼をする

 

退去費用を受け取るためには、雨漏りの修繕を大家さんに依頼することが必要です。
雨漏りの発生を把握した時点ですぐに大家さんに連絡し、修繕を依頼しましょう。
この際、修繕の依頼をした日時を記録しておくことも重要です。
誰に修繕を依頼するか、賃貸契約書で大家さんか不動産管理会社かを確認しておきましょう。
大家さんが雨漏りを認識し修繕を怠ったという事実が、退去費用を請求する際に重要なポイント
となります。

 

3: 大家さんとの話し合いで退去費用を請求する

 

最終的に退去費用が支払われるかどうかは、大家さんとの話し合いになります。
例えば、退去費用を受け取って退去する、雨漏りが直るまで修繕してもらう、または家賃を減額し
てもらうといった選択肢があります。
雨漏りしている部屋に住む精神的な負担を伝え、大家さんに理解してもらうことが重要です。

□大家は雨漏りに迅速に対処しましょう

 

原則として、大家は入居者が問題なく日常生活を送れる住環境を提供する義務があります。
これに対する対価として家賃を受け取ります。

そのため、雨漏りなどが発生した場合は速やかに修繕する責任があります。
もし大家がこの問題を放置すると、入居者から損害賠償を請求される可能性があります。
雨漏りによって入居者の家財が損害を受けた場合、入居者は修理費用や買い替え費用などの
損害賠償を大家に求める権利があります。

さらに、入居者が大家に対して適切な期間を設定して修繕を求めたにもかかわらず、その期間内
に修繕が行われない場合、入居者は賃貸借契約を解除することが可能です。
退去されるリスクもあるため、大家は雨漏りを放置せず、早急に対応することが重要です。

*自然災害による雨漏りには「火災保険」が適用される

 

火災保険は自然災害による被害にも適用されます。
例えば、台風の強風で屋根瓦が破損したり、雹(ひょう)によってベランダの床板が損傷した場合
などが該当します。
ただし、火災保険が適用されるのは雨漏りの原因が自然災害による場合のみで、経年劣化や第
三者による故意の被害は対象外です。
また、雨漏り自体は「水災」には含まれません。
適用されるのは「風災」「雪災」「雹災」などです。
以上の点に留意し、大家さんは迅速かつ適切に対応するよう心掛けましょう。

□まとめ

アパートの雨漏りは、入居者にとって大きなストレスになります。
雨漏りが発生した場合、まずは大家に連絡し、修理を依頼しましょう。
修理費用や家財の損害に関する補償は、賃貸契約書の内容によって異なります。
また、自然災害による雨漏りの場合は、火災保険が適用される場合があります。
雨漏りを放置すると、入居者から損害賠償を請求されたり、賃貸借契約を解除されたりする可能
性があります。

大家は、入居者の安全と快適な生活を守るためにも、雨漏りなどのトラブルに対して迅速に対応
する必要があります。
入居者も、賃貸契約書の内容をよく確認し、雨漏りに関する特約を理解しておくことが重要です。
アパートに住んでいる方は、この記事を参考にして、雨漏りなどのトラブルに備えておきましょう。


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