マンションの屋上の防水工事は、ただ単に水漏れを防ぐだけではなく、建物全体の耐久性
を保つためにも重要です。
今回は、マンション屋上の防水工事の種類と特徴、さらに防水の必要性について解説しま
す。
マンションのオーナーの方で、屋上の防水工事をお考えの方は、ぜひ最後までご覧くださ
い。

□マンションの屋上の防水工事の種類と特徴について

 

1:ウレタン防水(密着工法・通気緩衝工法)

 

ウレタン樹脂を用いた防水方法は、特に形状が複雑で塗装のしにくい屋上などの場所に
最適であり、よく使用されます。この方法の最大の特長は、液体状のウレタン樹脂を用いる
ことで、継ぎ目なしの均一な防水層を形成できる点にあります。ウレタン防水には二つの主
要な方法があります。「密着工法」は、直接床面にウレタン樹脂を塗布する方法で、シンプ
ルで基本的なアプローチを提供します。「通気緩衝工法」では、床面に通気マットを敷いた
上でウレタン樹脂を施工し、通気性を確保しながら水蒸気による防水層の膨張を防ぎま
す。

特に後者は、通気性が高く、密着工法と比較して耐久性が高いという利点があります。
価格の手頃さと施工の容易さは、ウレタン防水が多くの現場で採用される理由です。短期
間で効果的な防水を実現できるため、特に予算を抑えつつも確実な防水を求めるケースに
適しています。

しかし、耐用年数が他の方法に比べて短めの10年から12年程度であること
は留意する必要があります。
ウレタン防水のメリットは多岐にわたります。価格が比較的安価であること、液状のために
継ぎ目のない美しい防水層を形成できること、複雑な形状の屋上にも柔軟に対応できるこ
となど、これらの特徴はウレタン防水をマンションやビルなどで好んで使用される理由で
す。

 

一方で、ウレタン防水のデメリットとしては、乾燥期間が必要なため工期が長くなるこ
と、そして職人の技術によって仕上がりが大きく左右されることが挙げられます。特に後者
は、均一な防水層の形成が求められるため、経験豊富な施工業者の選定が重要なポイン
トになります。

ウレタン防水は、コストパフォーマンスに優れ、施工のしやすさから幅広い用途で採用され
ていますが、耐久性や工期、そして仕上がりの品質を確保するためには、適切な施工業者
を選ぶことが非常に重要です。予算と要求される性能を考慮し、最適な防水方法を選択す
ることが、長期にわたる建物の保護に繋がります。

 

2:シート防水(接着工法・機械的固定工法)

 

ゴムや塩化ビニール製のシートを用いるシート防水は、その高い耐久性と破損に対する強
度で広く知られています。特に塩化ビニール製のシートは、長期間にわたる保護を可能に
し、ゴムシートに比べて耐久性が高いため、最近ではより一般的に使用されています。シー
ト防水は、防水層を形成するためのシートを下地に敷く工法で、接着工法と機械的固定工
法の二つの主要な方法があります。接着工法では、防水シートを接着剤で固定し、機械的
固定工法では、シートを下地にドリル等で機械的に固定します。

しかし、この防水方法のデメリットとして、施工時に振動や騒音が発生する点が挙げられま
す。特に機械的固定工法ではドリルを使用するため、作業中の騒音や振動が避けられま
せん。このため、施工前には入居者や近隣住民への十分な説明が必要となります。

 

また、シート防水は複雑な形状の屋上に適用することが難しい場合もありますが、その価格の手
頃さと工期の短さは大きなメリットです。工期が短縮されることで、人件費等のコスト削減に
繋がり、結果的に他の工法に比べて全体の費用を抑えることが可能です。

シート防水の耐用年数はおよそ10年から15年程度であり、1平方メートルあたりの単価は
4,000円から5,000円程度が相場とされています。この工法の選択にあたっては、耐久性
やコスト、施工時の環境への配慮など、様々な要素を総合的に考慮することが重要です。
長期間の耐久性を求める場合や、破損へのリスクを最小限に抑えたい場合には、特に塩
化ビニール製のシートを選択することで、より効果的な防水が実現できるでしょう。

 

3:アスファルト防水(熱工法・冷工法・トーチ工法・BANKS工法)

 

アスファルトを活用した防水方法は、その耐久性において高い評価を受けています。特に、
熱を使用する工法においては、その耐用年数が15年から20年に及ぶことが大きな魅力と
なっています。

 

これらの工法は、液状の溶解アスファルトとアスファルトシートを組み合わせ
て、継ぎ目のない防水層を形成します。特に熱工法では、融解アスファルトとルーフィング
シートで作った防水層の上に、コンクリートやモルタルで表面を保護することにより、耐久性
が大幅に向上します。
しかし、この方法は工期の長さやコストの面でデメリットもあります。アスファルト防水の施
工期間は、通常6日から10日程度を要し、これはFRP防水の1〜2日と比較すると長期に
わたります。また、1平方メートルあたりの施工単価は4,500円から8,000円程度と、他の防
水方法と比べてもやや高額になる傾向があります。加えて、熱工法やトーチ工法を用いる
場合は、施工中に悪臭が発生する点もデメリットの一つです。

アスファルト防水は、長い耐用年数や優れた耐荷重性、密閉性を最優先に考える場合、ま
た長期にわたる防水効果を求める方にとって、最適な選択肢となり得ます。

この工法は、マンションやビルなどの大規模建築物での実績が豊富で、信頼性の高さが最大のメリット
です。しかし、広範囲にわたる施工や迅速な工程が求められる場合には、工期の長さや高
コスト、そして施工中の悪臭などの問題点を考慮する必要があります。
アスファルト防水には、熱工法、冷工法(常温工法とも呼ばれる)、トーチ工法のほかにも、
さまざまなバリエーションが存在します。それぞれの工法には特徴があり、工期や費用、施
工のしやすさに違いがあるため、建物の状況や要望に応じて最適な方法を選択することが
重要です。特に耐久性を重視し、長期間にわたって建物を保護したい場合には、アスファ
ルト防水が有効な解決策となるでしょう。

 

4:FRP防水

 

ガラス繊維強化プラスチック(FRP)を用いた防水方法は、その軽量性と優れた耐水性、耐
久性で知られています。この方法では、ガラス繊維製のマットを施工箇所に敷き詰め、その
上からポリエステル樹脂を塗布することで、シームレスな防水層を形成します。この一体成
型の層が、水の浸透を効果的に防ぎ、高い防水性能を発揮します。FRP防水は特に、工
期を短縮したいと考えるプロジェクトに適しており、速乾性もこの方法の大きな利点の一つ
です。

しかし、この防水方法にはいくつかのデメリットも存在します。まず、他の防水方法と比較し
て、コストがやや高めであることが挙げられます。1平方メートルあたりの価格は、5,000円
から7,000円程度が相場であり、施工業者によってはこの範囲を超えることもあります。ま
た、紫外線に対する弱さも欠点の一つであり、長期間の露出によって防水性能が低下する
恐れがあります。さらに、FRP防水は木造住宅の防水には適しているものの、マンションや
アパートといった多層建築物には不向きとされています。これは、FRP防水が伸縮性に乏
しいため、広い面積への施工が難しく、建物の自然な動きに対応できずひび割れるリスク
があるからです。
FRP防水の耐用年数は約10年から15年程度とされており、定期的なメンテナンスや塗り
替えが必要になります。施工時には特有の臭いが発生する点も留意すべきデメリットで
す。それにも関わらず、FRP防水が選ばれる理由は、その高い防水効果と短期間での施
工が可能な点にあります。

 

短い工期で屋上やベランダの防水を完了させたい場合、FRP防
水は非常に有効な選択肢となります。ただし、FRP防水を検討する際は、これらの利点と
欠点を十分に考慮し、担当者との密なコミュニケーションを通じて、建物の条件やニーズに
合った最適な解決策を選択することが推奨されます。

 

 

□屋上防水の必要性とは?

屋上防水工事は、建物の屋上部分に施される重要な工事です。
特に「陸屋根」とも呼ばれる平坦な屋上は、雨水が流れにくいため、防水対策をする必要
があります。

マンションでの雨漏りは、建物自体の耐久性にも深刻なダメージを与えてしまいます。
水分が内部に浸入することで、鉄筋の腐食や木材の腐朽を引き起こし、建物の構造的な
強度を低下させる恐れがあるのです。
新築時に施される防水工事も、時間が経過すると徐々に劣化していきます。
これを放置すれば、防水機能の低下により、やがては大きな損傷や修繕コストの増加につ
ながりかねません。

 

 

 

 

□まとめ

マンションの屋上防水工事には、ウレタン防水やシート防水などさまざまな種類がありま
す。
各防水工法の特徴を理解し、建物の状況に合わせた最適な方法を選択しましょう。
当社がこれまで培った経験と知識をいかして、お客様に合った防水工事を提案いたしま
す。
マンションの屋上の防水工事、大規模な修繕は、ぜひ当社におまかせください。


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