大型マンションで避けて通れないのが「長期修繕計画」。では、長期修繕計画とはどういった計画なのでしょうか。

また、長期修繕計画で失敗しないためには、どのようなことに注意しておく必要があるのでしょうか。

今回は、長期修繕計画とは何か。計画で失敗しないポイント。そして修繕計画で忘れてはいけない見直しについてお話していきます。


1: マンションの長期修繕計画とは

マンションの長期修繕計画という言葉を聞くことはあっても、実際にどのようなことなのか良く分からない方もいらっしゃると思います。

そこでまずは復習を兼ねて、長期修繕計画とは何を指しているのかからお話していきます。

(1)修繕の目的

マンションの長期修繕計画の目的とは何でしょうか。少し考えると分かりますね。いつまでも快適な状態で暮らせるように建物を維持するための計画です。

特に共有部分に関して、維持管理や修繕を行うことは、マンションには大切になってきます。
もし、自分が暮らしているマンションの外壁に、ひび割れが入ったまま放置されていたり、外壁の塗装が劣化し見窄らしい状態になっていたりすると、今のまま暮らしていきたいと感じるでしょうか。

そういうことに無関心な方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的にはできるだけ美しい状態のマンションに暮らしたいと考えているはずです。

(2)計画期間

大規模修繕の周期は、国土交通省の発表ですと12年程度が目安とされています。しかし最近では、建物の劣化状態により17年くらいを目安にしているところも出てきています。

特にはっきりとした計画期間がある訳ではありませんが、現在の施工技術などを勘案すると、おおよそこれくらいの周期で計画するのが妥当ということになります。

2: 長期修繕計画の目的

マンションの長期修繕計画には、次の3つの目的があります。

(1)工事内容や費用の把握

マンションを外から見ると頑丈に作られているため、修繕の必要性を感じないこともあります。しかし、どのような建物であっても築年数が経過すると必ず劣化が始まります。

特に「小さなひび割れ」は発生しやすく、放っておくとひび割れから雨水などが浸入し、建物の内部へ悪影響を与える可能性も出てきます。そうするとマンションの価値にも影響し、これからも長く安全快適に暮らせる場所ではなくなってきます。

なにより、見た目の良くないマンションは魅力が下がります。選ばれないマンションでは資産価値の向上も見込めません。

そこで修繕するための計画を行い、修繕に必要な工事の内容や費用の把握を行うことから始める必要が出てきます。

マンションの修繕工事は規模が大きくなります。そして費用負担もそれなりにかかります。一般的な戸建て住宅のように、今月修繕を依頼して、来月には完成し、支払いを終えて完了という具合にはいきません。

計画的に修繕費用を積み立てていくためにも、修繕計画は大切なのです。

(2)修繕積立金の根拠

マンションには修繕のために使う「修繕積立金」を住民から集めておられることでしょう。修繕積立金は大規模修繕のために必要なお金ですが、人はできることなら1円でも払いたくないと考えています。

そのため、「修繕積立金は何故この金額なのか」という疑問を持つ方も出てきますし、今も納得していない方もいらっしゃる可能性があります。

こういった場合、住民の皆様に納得していただくためにも、修繕積立金の根拠となっている長期修繕計画が必要になってきます。

きちんとした計画による費用の根拠をデータで示すことで、合意いただくまでがスムーズに運ぶことでしょう。

(3)工事をスムーズに行う

大規模修繕工事となると、工期までの準備に1年以上、工事も半年~1年かかることもあります。

全てが長期なので、あらかじめ工事の全体像や、いつごろどんな工事をするのかを知っておくことでトラブルやクレームを最小限にすることもできます。

例えば、きちんとした計画があれば、次のようなこともスムーズに行えます。

・住民への説明会
・近隣住民への説明会
・修繕費の過不足
・窓を開けられない期間の説明
・駐車場を使えない期間の説明


どれもタイミングを間違えると、トラブルやクレームになりやすいことです。

3: 長期修繕計画で失敗しないポイント

長期修繕計画で失敗しないためには、次の6つのポイントをおさえておきましょう。

(1)1回目の修繕の不足分をカバー

マンションの分譲時には比較的高額な修繕積立基金を集めるところがあります。そのため月々の修繕積立金の金額が低くても1回目の修繕は余裕を持って出来てしまいます。

しかし、費用の実態はというと、基金が多く集まっているため余裕をもって修繕工事が出来たということです。もし、2回目の修繕工事のために今と同じ積立金額にしておくと、おそらく次の修繕工事では費用が不足してしまう可能性が出てきます。

1回目の修繕が無事に終わったタイミングで、次の修繕計画を立て、費用が不足しようなら毎月の修繕積立金の増額を検討する必要が出てきます。

(2)計画通りには進まない

修繕計画では2年後に工事が必要となっている。しかし、その計画通りに修繕工事をしなくてはいけないというルールはありません。

それよりも予定がきたら、まずは建物の診断を実施し工事の必要性を判断することから始めましょう。

劣化の状態によって工事内容や期間、費用は変わってきます。予定だからといきなり修繕工事をスタートするのではなく、まずは現状調査からはじめていただきたいと思います。

(3)工事費用は変化する

修繕工事を行うときには見積もりを取られることでしょう。注意しておきたいのは、物価の上昇や人件費や材料費の高騰などによって費用が変化する可能性があることです。
また、消費税のアップなどがあると、合計金額に影響していきます。

そのため、実際に修繕工事をスタートすると決まったときには、もう一度複数の業者から見積もりをもらうようにしておきましょう。

(4)5~6年で見直し

長期修繕計画の中で費用は大きなインパクトを持っています。そのため長くても5~6年毎に計画を見直し、修繕費が不足しないのかどうかをチェックしておきたいところです。

昨今の事例ですと、消費税率が8%から10%へとアップしました。これだけでも当初計画より2%分の費用が増加することになります。もし、ぎりぎりの修繕積立金で工事をしようと考えていたとすると、消費税アップによって修繕費の不足という事態になってしまいます。

(5)安易な出費はさけましょう

緊急の対応が必要な修繕は仕方ありません。しかし、急ぎではない修繕は、できるだけ集約して工事をするのが理想的です。

というのも、細々と工事をすると1つ1つの費用は安くても、まとまるとかなりの出費をしていることもあります。

安易な出費はさけておきたいところです。

(6)増額するタイミングを外さない

長期修繕計画で悩みになるのが資金計画。もし月々の修繕積立金の増額が必要になっていることがわかっているのなら、早い決断が必要です。先送りしても修繕積立金が増えることはありません。

4: マンションの長期修繕計画は見直しを忘れないことが大切

長期修繕計画は一度作っておわりではありません。見直しすることが大切です。

(1)管理組合で見直しましょう

管理組合は、マンションで起こっている不具合をもっとも理解しています。まずは管理組合が改善したいと思っている部分から計画を見直しましょう。

住民視点での計画が立てられると思います。

(2)管理会社にも見直してもらいましょう

管理の専門家としての計画を立ててもらい見直しましょう。多くの物件を手がけている管理会社ですから、管理組合では見過ごしてしまっている部分のアドバイスをもらえる可能性があります。

(3)外部の専門家に依頼しましょう

第三者の視点という意味では、外部の専門家に見直しを依頼するのも良い方法です。ゼロベースで計画を立ててもらうことができるため、住民が本当に必要としている問題や不安を洗い出してもらえる可能性があります。

(4)修繕積立金が不足するなら早めの対策が必要

何度も申し上げますが、長期修繕計画で積立金が不足するということが分かれば、早急に不足分を補充する対策を検討しましょう。

・工事内容の見直し
・工事期間の見直し


まずは、修繕工事で何とかできないかを考えましょう。修繕工事では難しい場合、

・積立金の値上げ
・一時金の徴収
・借り入れ


こういった方法も遠慮無く検討する必要があります。

不足することがわかっていながら、いつまでも放っておくと年々マイナスが膨らみ、計画通りに修繕工事を進めることが難しくなります。

5: まとめ

マンションの長期修繕計画は、住民の方々が気になる「快適な暮らし」と「お金」に直結していると言っても良いでしょう。

ですから、長くても5年~6年での計画見直し。見直しによって修繕費に不足が出そうなら早急な対策を意識していただきたいのです。

最適な修繕工事で、いつまでもマンションの資産価値を高めておきましょう。そうすることで、将来にわたって安全・安心・快適な暮らしを提供することができます。


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