建物の維持管理において、防水工事は欠かせない要素の一つです。

特に、大規模修繕の際には、建物の寿命を左右する重要な施工となります。

近年では、様々な防水工法が登場し、それぞれにメリット・デメリットが存在します。

今回は、近年注目を集めている「絶縁防水工法」について、その特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

 

絶縁防水工法は、従来の密着工法とは異なる特徴を持つため、適切な選択をするためには、その仕組みやメリット・デメリットを理解することが重要です。

本記事では、絶縁防水工法の概要、メリット・デメリット、他の防水工法との比較、選び方のポイントなどをわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後まで読んで、自社の建物に最適な防水工法を選択できるようになってくださいね。

大規模修繕における絶縁防水工法とは?

絶縁防水工法は、防水層と下地を直接密着させずに、その間に通気層を設けることで、防水層の耐久性を高める工法です。

従来の密着工法では、防水層と下地の間に密着によるストレスが発生しやすく、ひび割れや剥がれなどの問題が起こりやすかったのですが、絶縁防水工法では、通気層によってこのストレスを軽減し、防水層の寿命を延ばす効果が期待できます。

1: 絶縁防水工法の仕組み

絶縁防水工法では、防水層と下地の間に、通気層となるシートやマットを敷設します。

このシートやマットは、空気層を作り出すことで、防水層と下地の間の密着を緩和し、湿気や水分の影響を受けにくくします。

さらに、シートやマットには、通気孔が設けられているため、防水層内部の湿気を外部に逃がし、結露や腐食を防止する効果も期待できます。

2: 絶縁防水工法の種類

絶縁防水工法には、大きく分けて以下の2つの種類があります。

・ ウレタン防水絶縁工法

ウレタン防水材を塗布する際に、通気緩衝シートを敷設する工法です。

シートの種類や厚みによって、通気性能や耐久性が異なります。

・ 塩化ビニールシート防水絶縁工法

塩化ビニール製のシートを敷設し、その上に防水層を形成する工法です。

シートの種類や厚み、施工方法によって、耐候性や耐久性が異なります。

3: 絶縁防水工法のメリット

絶縁防水工法には、以下のようなメリットがあります。

・ 下地の状態に左右されにくい

通気層が設けられているため、下地の状態が不安定な場合でも、施工が可能です。

また、下地の動きによるストレスを緩和するため、ひび割れや剥がれが発生しにくくなります。

・ 湿気や水分の影響を受けにくい

通気層によって、防水層内部の湿気を外部に排出するため、結露や腐食が発生しにくくなります。

そのため、防水層の耐久性が向上し、建物の寿命を長く保つことができます。

・ 地震に強い

通気層が緩衝材の役割を果たすため、地震による揺れにも強く、防水層の破損を防ぐ効果が期待できます。

 

 

絶縁防水工法のメリットとデメリットを理解する

絶縁防水工法は、様々なメリットがある一方で、デメリットも存在します。

メリットとデメリットを理解した上で、建物の状況や予算に合わせて最適な工法を選択することが重要です。

1: メリット

・ 下地の状態に左右されにくい

・ 湿気や水分の影響を受けにくい

・ 地震に強い

・ 耐久性が高い

2: デメリット

・ 施工が複雑で工期が長い

通気層を設けるため、従来の密着工法よりも施工が複雑になります。

そのため、工期が長くなる傾向があります。

・ 費用が高い

施工が複雑なため、従来の密着工法よりも費用が高くなる傾向があります。

・ 適切な施工技術が必要

通気層の設計や施工には、専門的な知識や技術が必要となります。

そのため、信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

絶縁防水工法と密着工法の違い

絶縁防水工法と密着工法は、防水層と下地の間にシートを挟むか否かで大きく異なります。

それぞれの工法の特徴を比較することで、建物の状況や用途に適した工法を選択することができます。

1: 密着工法

密着工法は、防水層を下地に直接密着させて施工する工法です。

施工がシンプルで、費用を抑えられるのが特徴です。

しかし、下地の状態に左右されやすく、ひび割れや剥がれが発生しやすいというデメリットがあります。

また、地震や経年劣化による建物の動きにも弱く、防水層の耐久性が低いという問題点もあります。

2: 絶縁工法

絶縁工法は、防水層と下地の間に通気層を設けることで、密着によるストレスを軽減し、防水層の耐久性を高める工法です。

下地の状態に左右されにくく、地震や経年劣化に強く、防水層の耐久性が高いのが特徴です。

しかし、施工が複雑で工期が長く、費用が高いというデメリットがあります。

3: 絶縁防水工法と密着工法の比較表

・下地への影響

絶縁防水工法:影響を受けにくい

密着工法:影響を受けやすい

・耐久性

絶縁防水工法:高い

密着工法:低い

・地震への耐性

絶縁防水工法:強い

密着工法:弱い

・施工費用

絶縁防水工法:高い

密着工法:安い

・施工期間

絶縁防水工法:長い

密着工法:短い

・施工の難易度

絶縁防水工法:高い

密着工法:低い

4: 選び方のポイント

建物の状況や用途に合わせて、絶縁防水工法と密着工法のどちらが適しているかを判断する必要があります。

・ 下地の状態が不安定な場合

・ 地震に強い防水層を希望する場合

・ 長期的に防水層の耐久性を保ちたい場合

は、絶縁防水工法が適しています。

・ 費用を抑えたい場合

・ 施工期間を短くしたい場合

は、密着工法が適しています。

 

まとめ

絶縁防水工法は、通気層を設けることで、従来の密着工法に比べて、下地の状態に左右されにくく、地震や経年劣化に強く、防水層の耐久性が高いというメリットがあります。

しかし、施工が複雑で工期が長く、費用が高いというデメリットもあります。

建物の状況や予算に合わせて、絶縁防水工法と密着工法のどちらが適しているかを判断し、信頼できる施工業者に相談することが重要です。

絶縁防水工法は、建物の寿命を長く保つためには有効な選択肢の一つとなります。

本記事を参考にして、防水工事に関する理解を深めてくださいね。


株式会社泉はなぜお客様に選ばれるのか!?詳しくはこちら
〒599-8233
大阪府堺市中区大野芝町225-3
072-234-6525
 
HP
https://kabushikigaisya-izumi.com

メールアドレス
izumi-tosou@zeus.eonet.ne.jp