マンションオーナーにとって、大規模修繕工事は避けては通れない課題の一つです。
特に、マンションの修繕費用や周期について頭を悩ませているかもしれません。
「マンションの大規模修繕工事は、本当に12年周期で必要なのだろうか。」

12年周期は、あくまで国土交通省のガイドラインに基づいた目安であり、実際のマンションの状況によっては、周期延長も検討できる場合があります。
この記事では、マンションの大規模修繕工事の周期について解説します。

□マンション大規模修繕工事の周期はなぜ12年なのか?

マンションの大規模修繕工事の周期が12年とされているのは、主に以下の3つの理由が考えられます。

1: 国土交通省の長期修繕計画作成ガイドライン

国土交通省は、マンションの長期的な維持管理のための指針として「長期修繕計画作成ガイドライン」を公表しています。
このガイドラインでは、修繕周期の考え方として、12年程度で大規模修繕工事を実施する例が示されています。
しかし、このガイドラインはあくまで目安であり、マンションの構造や使用状況、地域環境などによって、適切な周期は異なります。

2: 塗料などの耐久年数

外壁塗装や防水工事などの修繕工事には、塗料や防水シートなどの耐久年数が設定されています。
これらの材料の耐久年数は一般的に10~15年程度と言われており、12年周期はこれらの材料の耐久年数を考慮した設定と言えるでしょう。
しかし、近年では耐久性の高い塗料や防水シートが開発されており、従来よりも長期間の使用が可能な場合があります。

3: 特定建築物定期調査との関係性

特定建築物定期調査は、建築基準法に基づき、一定の規模以上のマンションに対して義務付けられている構造の定期的な検査です。
この調査は、原則として5年ごとに実施されます。
大規模修繕工事の周期は、特定建築物定期調査の結果を参考に設定されることも多く、5年周期の調査と12年周期の大規模修繕工事との間に、ある程度の整合性を図る必要があると考えられています。
しかし、特定建築物定期調査は、構造上の安全性を確認するための検査であり、必ずしも修繕工事の必要性を示しているわけではありません。

 

 

□マンション大規模修繕工事の周期延長が難しい3つの理由

マンションの大規模修繕工事の周期延長は、一見すると合理的で魅力的な選択肢のように思えます。
しかし、実際には、さまざまな課題が存在するため、容易ではありません。
周期延長が普及しない主な理由として、以下の3つが挙げられます。

1: 12年周期で受注できるビジネスモデルが確立していること

マンションの大規模修繕工事は、管理会社や施工会社にとって大きなビジネスチャンスです。
長年、12年周期で受注できるビジネスモデルが確立されており、この慣習的なサイクルを変えることは、業界全体に大きな影響を与えます。
周期延長を提案することは、管理会社や施工会社にとって、短期的な利益を犠牲にする可能性があり、なかなか踏み込みにくい状況です。

2: 高耐久な修繕工事に実績を持つ施工会社が少ないこと

周期延長を実現するためには、従来よりも耐久性の高い修繕工法を採用する必要があります。
しかし、高耐久な修繕工事に実績を持つ施工会社は、まだそれほど多くありません。
特に、外壁塗装や防水工事などの表面修繕だけでなく、構造躯体や設備などの深層部の修繕においても、長期的な耐久性を担保できる技術やノウハウが求められます。

3: これまでの通りのこまめな修繕が安心という考え方が根強いこと

管理組合の中には、12年周期で、こまめな修繕を行う方が安心だと考える方も多くいます。
周期延長は、短期的には費用を抑えることができますが、長期的には、不具合発生時のリスクや修繕費用の高騰を招く可能性も孕んでいます。
また、周期延長を行う場合、管理組合は、より詳細な修繕計画や長期的な資金計画を策定する必要があり、従来の考え方とは異なる、新たな取り組みが求められます。

 

□マンション大規模修繕工事の周期延長を実現するための課題解決策

マンションの大規模修繕工事の周期延長は、決して容易ではありません。
しかし、周期延長を実現するために、そのポイントを紹介します。

1: 管理組合と施工会社の意識改革

周期延長を実現するためには、まず、管理組合と施工会社の意識改革が不可欠です。
管理組合は、12年周期という慣習的な考え方に囚われず、マンションの現状や将来的な維持管理の費用などを総合的に検討し、周期延長の可能性を積極的に検討する必要があります。

2: 高耐久な修繕工法の普及

周期延長を実現するためには、従来よりも耐久性の高い修繕工法の普及が不可欠です。
特に、外壁塗装や防水工事などの表面修繕だけでなく、構造躯体や設備などの深層部の修繕においても、長期間にわたって効果を発揮する、新たな技術や材料が求められます。

3: 長期的な視点に立った修繕計画の策定

周期延長を行うためには、従来の12年周期とは異なる、長期的な視点に立った修繕計画の策定が必要です。
具体的には、マンションの劣化状況や今後の使用状況などを予測し、どの部位をどの時期にどのように修繕していくのかを詳細に計画する必要があります。
また、長期的な資金計画も重要です。
周期延長を行うことで、短期的には費用を抑えることができますが、長期的には、高耐久な修繕工法を採用するなど、費用がかかる場合もあります。

 

 

□まとめ

マンションの大規模修繕工事の周期延長は、簡単ではありませんが、適切な計画と取り組みによって実現可能な選択肢です。
管理組合と施工会社が意識改革を行い、高耐久な修繕工法の開発と普及、長期的な視点に立った修繕計画の策定を進めることで、より長く住み続けられる、快適で安全なマンションを実現できるでしょう。
マンションの大規模修繕工事についてご検討されている方はお気軽に当社までご相談ください。


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