高所作業を行う方へ、日々安全に配慮した作業を心がけていますか。
特に高所作業は、ちょっとした不注意が命取りになりかねない危険な作業です。
近年、労働基準法が改正され、高所作業における安全対策はより厳格化されました。
今回は、高所作業における足場と安全対策について、労働基準法に基づいた情報を提供します。
□高所作業における足場
高所作業は、地上から2メートル以上の高さで行う作業を指します。
労働安全衛生法では、高所作業を行う際に転落による危険から作業員を守るため、様々な安全対策が義務付けられています。
*高所作業の種類
高所作業は、建設工事、解体工事、設備の保守点検など、様々な場面で行われます。
作業内容や場所に応じて、適切な足場を選定することが重要です。
1:建築工事や解体工事
建築物の外壁工事や内装の天井工事などでは、様々な種類の足場が使用されます。
一般的な脚立や移動式足場、枠組み足場など、作業内容や場所に適した足場を選びましょう。
2:天井内の点検業務
電気工事や空調・給排水設備工事などでは、天井内を点検する必要がある場合があります。
天井内に入る際には、点検口から作業を行うため、高所作業に該当します。
3:高層ビルの窓清掃
オフィスビルなどの高層ビルの窓清掃作業では、作業用のゴンドラを使用します。
ゴンドラは高所作業車の一種であり、高所作業を行うための安全な足場となります。
4:屋外設備の保守点検
風力発電用の風車や電波塔など、高さのある屋外設備の保守点検作業では、高所作業車や建設足場などが使用されます。
*足場の設置義務
労働基準法では、高所作業を行う際には原則として足場を設置することが義務付けられています。
足場は、作業員が安全に作業を行えるよう、しっかりと設置する必要があります。
*足場の安全対策
足場を設置する際には、労働基準法で定められた安全基準を遵守することが重要です。
・ 設置場所の確認
足場を設置する場所には、障害物や傾斜がないか、十分に確認する必要があります。
・ 足場の強度
足場は、作業員の体重や工具の重量に耐えられる強度を持つ必要があります。
・ 足場の安定性
足場は、強風や地震などによって倒壊しないよう、安定して設置する必要があります。
□労働基準法改正:フルハーネス着用義務化
2022年1月より、高所作業におけるフルハーネスの着用が義務化されました。
フルハーネスは、作業員が転落した場合に身体を支え、落下による怪我を軽減するための安全帯です。
1: フルハーネス着用義務化の背景
フルハーネス着用義務化は、高所作業における墜落事故を減らすための対策として、段階的に導入が進められてきました。
・ 従来の安全帯の問題点
従来の胴ベルト型安全帯は、落下時に身体がぶら下がり、内臓損傷や胸部への圧迫による怪我のリスクがありました。
・ フルハーネスの安全性
フルハーネスは、身体全体を支える構造のため、落下時の衝撃を分散し、内臓損傷や胸部への圧迫のリスクを軽減します。
2: フルハーネス着用義務化への対応
フルハーネスの着用義務化に対応するためには、以下の点に注意する必要があります。
・ 新しい規格のフルハーネスの使用
2022年1月以前に販売されていたフルハーネスは、新しい規格に対応していない場合があります。
新しい規格に適合したフルハーネスを使用しましょう。
・ フルハーネスの点検
フルハーネスは、定期的に点検を行い、破損や劣化がないかを確認する必要があります。
・ 安全衛生特別教育の受講
高所作業において、フルハーネスを使って作業を行う場合は、安全衛生特別教育を受講する必要があります。
3: フルハーネスの適切な使用方法
フルハーネスを着用する際は、適切な方法で着用することが重要です。
・ 身体に合ったサイズを選ぶ
フルハーネスは、身体に合ったサイズを選ぶ必要があります。
・ 適切な場所に装着する
フルハーネスは、肩、腰、腿の適切な場所に装着する必要があります。
・ 締め付け具合を調整する
フルハーネスの締め付け具合は、身体に負担をかけないよう、適切に調整する必要があります。
□高所作業における安全対策
高所作業における安全対策は、足場の設置やフルハーネスの着用以外にも、様々な対策があります。
1: ヘルメットの着用
高所作業では、ヘルメットの着用は必須です。
ヘルメットは、落下物や転倒時の衝撃から頭部を守るための保護具です。
2: 脚立の適正使用
脚立を使用する際は、適切な使用方法を守ることが重要です。
・ 脚立の傾斜
脚立は、水平面に対して75度以下の角度で使用する必要があります。
・ 踏ざん部の制限
脚立の高さによって、踏ざん部の使用が制限されます。
3: 作業床の設置
高所作業では、作業床を設置することが推奨されます。
作業床は、作業員が安全に作業を行えるスペースを確保するためのものです。
4: 墜落防止措置
墜落防止措置には、以下のようなものがあります。
・ 手すり
作業床の周囲に設置され、作業員が転落するのを防ぎます。
・ 囲い
作業床の周囲に設置され、落下物を避けられるよう、安全な空間を確保します。
・ 防護ネット
作業床の下に設置され、落下物が地面に落ちるのを防ぎます。
5: 作業員の安全意識向上
高所作業における安全対策は、足場や保護具だけでなく、作業員の安全意識向上も重要です。
・ 安全教育の実施
作業員に対して、高所作業の危険性や安全対策についての教育を実施する必要があります。
・ 安全点検の実施
作業開始前には、足場や保護具などの安全点検を実施する必要があります。
・ 安全意識の向
上
作業員一人ひとりが、安全に対する意識を高めることが重要です。
□まとめ
高所作業は、適切な安全対策を講じなければ、重大な事故に繋がる危険性が高い作業です。
労働基準法では、高所作業における安全対策が厳格化されており、足場の設置、フルハーネスの着用、ヘルメットの着用などが義務付けられています。
高所作業を行う際には、労働基準法に基づいた安全対策を徹底し、安全な作業環境を構築することが重要です。
安全意識を高め、日々の作業を安全に行いましょう。
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