アパートのオーナーや管理会社にとって、建物の維持管理は重要な課題です。
特に、雨漏りなどのトラブルは入居者の満足度を大きく左右し、建物の資産価値にも悪影響を及
ぼします。
雨漏りの原因は様々ですが、その中でも改修用ドレンの詰まりは、意外と知られていないトラブ
ルです。

改修用ドレンは、既存のドレンを覆うように設置され、雨水が建物内部に侵入するのを防ぐため
の重要な役割を担っています。
しかし、適切なメンテナンスを行わなければ、ドレンが詰まって雨漏りなどのトラブルが発生する
可能性があります。
この記事では、改修用ドレンの仕組み、詰まりによる雨漏りトラブル発生のメカニズム、適切なメ
ンテナンス方法についてご紹介します。

□改修用ドレンとは?アパートの雨漏り対策に欠かせないもの

改修用ドレンは、既存のドレンを覆うように設置される、アパートの雨漏り対策に欠かせないもの
です。

1: 改修用ドレンの構造と役割

改修用ドレンは、一般的に鉛のプレートや塩ビのシートに蛇腹のホースが一体化された構造をし
ています。
既存のドレンの上に被せるように設置され、劣化した部分をカバーする役割を担います。
また、蛇腹ホースが直接縦樋に繋がるため、継ぎ目のないシームレスな構造となり、雨水の浸入
を防ぐ効果も期待できます。

2: 改修用ドレンの必要性

もともと、ドレンは雨水を排水するための装置で、排水口に取り付ける装置のことです。
傾斜の一番低い床や壁に穴を開け、そこに差し込むように設置されています。
そのため、ドレンの取り替えを行うとなると、躯体を傷めることになり、様々なリスクが伴います。
実際に、国土交通省「公共建築改修工事標準仕様書」によると、既存ドレンを撤去する場合は以
下のようにしなくてはいけないと記載されています。

「平場の既存保護層等を残し、改修用ドレンを設けない場合は、ルーフドレン端部から 500mm程
度まで保護コンクリート等の既存保護層を四角形に撤去する。」

つまり、既存保存層を撤去するということは、雨漏り発生の危険性が高まるということです。
そのリスクを解消すべく生まれたのが改修用ドレンです。
改修用ドレンは、以下の様な状況で必要となるケースが多いです。
・既存のドレンが劣化し、雨水が漏れるようになった場合
・既存のドレンが腐食し、破損している場合
・既存のドレンが錆びて、排水がスムーズに行われない場合
改修用ドレンを設置することで、これらの問題を解決し、雨漏りを防止できます。

3: 改修用ドレンの注意点

改修用ドレンは、設置場所や状況によっては、適切な施工方法が異なります。
・既存のドレンの内径が50φ以下で、一ヶ所しか設置されておらず、既に排水能力が低い場合
・既存のドレンや周辺の防水層が劣化していない場合
・既存のドレン50φに適応する改修用ドレンはあるものの、排水能力の低下は否めません。
上記のような状況では、改修用ドレンの設置が適切でない場合もあります。

 

 

 

 

□改修用ドレンが詰まる原因と雨漏りのリスク

改修用ドレンは、落ち葉やゴミなどの異物をストレーナーで受け止め、排水口に流れ込むのを防
ぐ構造になっています。
しかし、このストレーナーが詰まってしまうと、排水が滞り、雨水が溢れて雨漏りや防水層の劣化
に繋がる可能性があります。

1: 改修用ドレンが詰まる主な原因

改修用ドレンが詰まる原因は、以下のものが挙げられます。
・落ち葉やゴミなどの異物がストレーナーに溜まること
・排水管の勾配が不足していること
・排水管の内部に堆積物が溜まっていること

2: 改修用ドレンの詰まりによる雨漏りリスク

改修用ドレンが詰まると、雨水が排水されずに、建物内部に侵入してしまいます。
・雨漏りによる建物の損傷
・カビやダニの発生
・入居者の健康被害

3: 改修用ドレンの詰まりによる防水層の劣化

改修用ドレンの詰まりは、防水層の劣化にも繋がります。
・雨水が防水層に浸透し、防水層が剥がれる
・防水層の耐久性が低下し、雨漏りが発生しやすくなる
これらのリスクを回避するためには、改修用ドレンの定期的な清掃や点検が不可欠です。

 

 

 

□改修用ドレンの施工方法について

ビルやマンションの排水システムに欠かせない鋳物製ドレンは、長年の使用で錆びや劣化が避
けられません。
そのため、防水改修工事の一環として、劣化したドレンの上に改修用ドレンをかぶせて、排水機
能を回復させる施工が一般的です。
以下に具体的な施工手順を解説します。

1: 既存ドレンの形状・サイズを確認

防水工事の開始前に、現場調査を行い、既存ドレンの内径を正確に測定します。
この内径に合った改修用ドレンを選定することで、施工後の排水効率を最大限に確保します。

2: 既存ドレンのストレーナー・上皿、周辺防水層の撤去

プレート状のパーツやカバーキャップ、そして周囲の防水層を取り除きます。
防水層の上に押さえコンクリートが施されている場合は、それも撤去します。
これにより、新しいドレンの装着スペースを確保します。

3: 段差部分の下地処理

周辺防水層を撤去した際に生じる段差(不陸)をモルタルで平滑にします。
これにより、新しい防水層が均一に施工され、排水効率が向上します。

4: 改修用ドレンの設置・取付

選定した改修用ドレンを既存のドレンに差し込みます。
銅製や鉛製のドレンは、下地の形状に合わせてハンマーで微調整が可能で、隙間なく密着させ
られます。

5: 防水工事

改修用ドレンを接着した後、その上から新しい防水層を施工します。
これにより、防水性能が回復し、長期間にわたり機能を維持できます。

6: ドレンキャップを被せて完了

防水工事が完了したら、ドレンキャップを取り付けて施工終了です。
ドレンキャップは落ち葉などの大きなゴミが雨樋へ流れ込むのを防ぎます。
防水層からの雨漏りは、ドレン周辺の不具合が原因となることが多いです。
適切に改修用ドレンを取り付けることは、防水改修において非常に重要な工程です。
ドレン周りの防水脆弱部をしっかりと補修することも、長期的な防水性能を確保するために欠か
せません。

そもそも、ドレンキャップとは、改修用ドレンの上に被せて、落ち葉などの大きなゴミが雨樋へ流
れ込むのを防ぐパーツです。

板バネ(滑り止め)を改修用ドレンの中に差し込んで固定し、確実に機能するように設置します。

□改修用ドレンの適切なメンテナンスと専門家への依頼

改修用ドレンのメンテナンスは、定期的な清掃や点検が重要です。
しかし、改修用ドレンは、設置場所によっては清掃が難しい場合もあります。
そのため、専門業者に定期的な点検や清掃を依頼することをおすすめします。

1: 改修用ドレンの定期的な清掃

改修用ドレンの清掃は、少なくとも年に1回は行う必要があります。
・ストレーナーを取り外し、ゴミを取り除く
・排水管内部に堆積物が溜まっている場合は、高圧洗浄機で清掃する

2: 改修用ドレンの定期的な点検

改修用ドレンの点検は、清掃と同時に実施します。
・ストレーナーの破損や劣化がないか確認する
・排水管の破損や劣化がないか確認する
・排水管の勾配が適切かどうか確認する

3: 専門業者への依頼

改修用ドレンの清掃や点検は、専門業者に依頼することをおすすめします。
・専門業者は、適切な清掃方法や点検方法を熟知しています。
・専門業者は、改修用ドレンの修理や交換も対応できます。

 

□まとめ

改修用ドレンは、アパートの雨漏り対策に欠かせないものです。
しかし、適切なメンテナンスを行わなければ、ドレンが詰まって雨漏りなどのトラブルが発生する
可能性があります。
改修用ドレンの詰まりは、放置すると防水層の劣化や雨漏りに繋がることがあります。
そのため、定期的な清掃や点検、そして専門業者への依頼が重要になります。
この記事で解説した内容を参考に、アパートの改修用ドレンを適切に管理し、雨漏りトラブルを予
防しましょう。


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